あなたとしゃぼん玉
「これで皆の払っといて」と大矢さんから手渡された財布で会計を終わらせたわたしが店を出て見つけたのは地面に寝転ぶ大矢さん1人だけだった。
「あれ?みんなは?」
「終電ーって帰った」
「…大矢さん置いて?」
「…うむ」
「大矢さん終電は?」
「分からん。携帯見て」
「降りる駅なんて名前ですか?」
「○○駅~」
大矢さんの隣に座り、携帯で乗車案内アプリを開く。
隣に座る大矢さんは起き上がり、わたしに肩を組んできた。
「あー…終電逃してますよ。タクシーだと9千円ギリギリかもです。お金足りるかな…」
「いい匂いする、朝日」
「かがないで。ちょっと待っててくださいね」
そう言って、自販機で水を買う。
タクシーまで連れて行けそうにないくらい悪酔いしていたし、このまま置いて帰ろうかとも思った。
♪~♪~♪
「はい」
『朝日ー!置いてったやろー』
「置いてってないですよ。水買ってただけです」
『…なんやぁ…薄情者って言うところやったわ』
「……家帰れます?」
『無理!ちゃんとタクシーで帰るから、ちょっとだけ寝かして』
「分かりました。寒いし、風邪ひかないようにしてくださいね」
『朝日んち行く!ここから近いんやろー、行こ』
だらしないのに、なぜか惹かれてしまうところがある。
魅了されてしまう。
溢れだしそうな思いに蓋をして、平常心を保った。
「分かりました。30分だけですからね」
「あ、朝日ぃ。行こ!」
そう言って、大矢さんはわたしの手を握る。
真っ暗の中、街灯の光を頼りにわたしたちは歩いた。
歪な距離感や関係に違和感があったが、見て見ぬふりをした。
「あれ?みんなは?」
「終電ーって帰った」
「…大矢さん置いて?」
「…うむ」
「大矢さん終電は?」
「分からん。携帯見て」
「降りる駅なんて名前ですか?」
「○○駅~」
大矢さんの隣に座り、携帯で乗車案内アプリを開く。
隣に座る大矢さんは起き上がり、わたしに肩を組んできた。
「あー…終電逃してますよ。タクシーだと9千円ギリギリかもです。お金足りるかな…」
「いい匂いする、朝日」
「かがないで。ちょっと待っててくださいね」
そう言って、自販機で水を買う。
タクシーまで連れて行けそうにないくらい悪酔いしていたし、このまま置いて帰ろうかとも思った。
♪~♪~♪
「はい」
『朝日ー!置いてったやろー』
「置いてってないですよ。水買ってただけです」
『…なんやぁ…薄情者って言うところやったわ』
「……家帰れます?」
『無理!ちゃんとタクシーで帰るから、ちょっとだけ寝かして』
「分かりました。寒いし、風邪ひかないようにしてくださいね」
『朝日んち行く!ここから近いんやろー、行こ』
だらしないのに、なぜか惹かれてしまうところがある。
魅了されてしまう。
溢れだしそうな思いに蓋をして、平常心を保った。
「分かりました。30分だけですからね」
「あ、朝日ぃ。行こ!」
そう言って、大矢さんはわたしの手を握る。
真っ暗の中、街灯の光を頼りにわたしたちは歩いた。
歪な距離感や関係に違和感があったが、見て見ぬふりをした。