あなたとしゃぼん玉
お母さん

ずっと愛して欲しかった。
許して欲しかったし、受け入れて欲しかった。
いつか、お母さんからの愛が貰えると思ってた。
兄弟と比べられて、兄弟は良くて、わたしは駄目な生き方をして、あんなに幼少期、厳しく育てられたのに、わたし、大人になってから不倫したよ。わたしがいちばん大嫌いだったことを気づいたらしてたよ。
でも、あの人はわたしを受け入れ、愛してくれた。愛情をくれた。偽りの「愛してる」だとしても、その言葉とあの優しさにわたしは救われたの。愛がどれほどわたしに大切なものなのか、理解することができたよ。
どうして、こんなにも愛に飢えてしまったんやろうね。
きっと本当はお母さんはたくさん優しくしてくれたのかもしれないけど、もうあなたから貰える愛情は歪んでしか受け取ることができない気がする。
わたし、学生の頃、精神科に一人で行ったことがあったよ。
病気だと思ってたから。
お母さん、知らないでしょ。
あなたが何にも言わなかったから知るわけないでしょってきっと言うと思う。
でもね、
それは違う。
お母さんがわたしに関心が無かったんだよ。
何も聞かれたことない。
興味なかったんだよね。

女の子に生まれてしまったからだよね。
もしそうなら、
女の子に生まれてごめんね。
男の子だったら、
わたしも愛されたのかな。
いちばん大事にしてくれたのかな。
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