あなたとしゃぼん玉
わたし、もう死ぬから最後になんでも言ってやろうと思うんだけど。父さんは知ってた?
わたしが高校生のときかな。父さんと母さんの喧嘩がピークになって離婚するしないで揉めてたよね。親は子どもの前で喧嘩しちゃいけないって2人の両親に教わらなかったの?その行動がどれほど子どもを傷つける行為か、不安にさせているのか、考えもしなかった?自分達のことだけしか考えられなかったのかな。
寝てる時に母さんに「朝日はお母さんたちが離婚したらどっちについて来る?」って言ったの。「お母さんに着いてきてくれるよね」って泣きながら言われた。わたしは母の呪いにかかってたから「うん」って言ったけど、そうしか言えなかったのはお金も稼げない子どもだったから。20歳で社会人になって、自分でお金を稼げるんだと気づいたときは“どっちにもついて行きたくない”が答えになった。それが正解だと思う。
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