LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
篤の母親はいわゆるシングルマザーで、
篤達はうちの家の近くのアパートの一階に住んでいた。


うちへの篤達の託児は2年くらい続いていたが、
いつの頃か、俺が逆に篤の家に入り浸るようになっていた。


そうなったのは、小学校へ上がる前くらいだったか?


土日はいつも俺は篤の家に居た。


篤の母親は、そのアパートの部屋に居たり居なかったりで、
居ても、いつも男と一緒に居た。


そのアパートは2DKで、広くはないからか、その篤の母親と彼氏なのか内縁の夫みたいな男がイチャイチャとしているのを、何度も俺も見た。


子供の前だろうがなんだろうが、
お構い無しにキスとかしていて、
流石に最後迄はしていなかったけど、
唇が重なり舌と舌が絡まり合うその光景を、意味も分からずただ見ていた。



「斗希、ゲームしよう」


そういう時、決まって篤は俺の気をそれから逸らすように声を掛けて来たから、
篤はその頃には母親がしているそれがなんなのか分かっていたのだろう。


そういえば、俺が篤の家に行くようになった頃には、
篤の姉達は、いつも週末は友達の家か何処かに出掛けていたように思う。


それも、姉達は何かを察しての行動だったのだろう。


俺と篤が小学校へと上がると、外で遊ぶようになり、
また篤の姉達や、その友達数人でよく遊ぶようになった。


平日、俺は習い事が忙しかったので、週末はいつも篤達と遊んでいた。


平日も習い事なんか行かずに篤と遊びたかったけど、
私立ではなく篤と同じ公立の小学校へ行きたいと言った俺の我が儘を母親は聞いてくれたので、
だから、文句を言わずに平日は習い事を頑張った。


小学校のクラスは2クラスしかなかったからか、
篤とは6年間同じクラスになれて、
俺と篤は、とても仲が良かった。


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