LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
テトラポッド2
家に戻ると、夕食時で。
「斗希、どこ行ってたの?
食べるでしょ?」
階段を上ろうとした時、リビングの扉を開いた母親に笑顔でそう声を掛けられた。
その扉の向こうには、ダイニングテーブルに座り、夕食を食べる父親の姿が見えた。
父親もこちらを見て、笑顔でおかえり、とか言っていて。
その、扉の向こうに広がる絵に描いたような両親の幸せそうな姿に、
眩暈がした。
今の俺との、その温度差。
俺は階段を駆け上がり自分の部屋へと行くと、
先程父親の部屋で見付けたDNA鑑定書を掴み、
リビングへと行く。
父親は俺の手に持たれたその茶色の大きな封筒にすぐに思い当たったからか、
顔が蒼白としていて。
母親は、意味も分からずキョトンとしている。
「何?それ?
ご飯よそうから、斗希早く座りなさい」
俺はその母親の言葉に答えず、手に持ったその4枚の封筒を、
ダイニングテーブルの上に投げ付けた。
それは、テーブルに並べられた料理の上に乗り。
「斗希、何してるの!」
珍しく、母親が怒っているなと、その言葉を何処か遠く聞いていた。
うちの母親は、ずっと専業主婦で、掃除や裁縫もそうだけど、料理が特に上手で、おやつなんかも手作りで。
いつもニコニコとしていて、俺にとても優しくて。
篤の母親程ではないが、それなりに美人で。
何も知らなかったら、自慢の母親だったかもしれない。
中学一年の時、街中でこいつが知らない男と親しそうに歩いているのを見掛けた。
それを見る前からも、なんとなく雰囲気で、こいつが浮気している事を分かっていた。
今までは、母親にもそうやって秘密がある事を、この人も一人の人間なのだと尊重して、
それを見て見ぬ振りをして来たけど。
「斗希、どこ行ってたの?
食べるでしょ?」
階段を上ろうとした時、リビングの扉を開いた母親に笑顔でそう声を掛けられた。
その扉の向こうには、ダイニングテーブルに座り、夕食を食べる父親の姿が見えた。
父親もこちらを見て、笑顔でおかえり、とか言っていて。
その、扉の向こうに広がる絵に描いたような両親の幸せそうな姿に、
眩暈がした。
今の俺との、その温度差。
俺は階段を駆け上がり自分の部屋へと行くと、
先程父親の部屋で見付けたDNA鑑定書を掴み、
リビングへと行く。
父親は俺の手に持たれたその茶色の大きな封筒にすぐに思い当たったからか、
顔が蒼白としていて。
母親は、意味も分からずキョトンとしている。
「何?それ?
ご飯よそうから、斗希早く座りなさい」
俺はその母親の言葉に答えず、手に持ったその4枚の封筒を、
ダイニングテーブルの上に投げ付けた。
それは、テーブルに並べられた料理の上に乗り。
「斗希、何してるの!」
珍しく、母親が怒っているなと、その言葉を何処か遠く聞いていた。
うちの母親は、ずっと専業主婦で、掃除や裁縫もそうだけど、料理が特に上手で、おやつなんかも手作りで。
いつもニコニコとしていて、俺にとても優しくて。
篤の母親程ではないが、それなりに美人で。
何も知らなかったら、自慢の母親だったかもしれない。
中学一年の時、街中でこいつが知らない男と親しそうに歩いているのを見掛けた。
それを見る前からも、なんとなく雰囲気で、こいつが浮気している事を分かっていた。
今までは、母親にもそうやって秘密がある事を、この人も一人の人間なのだと尊重して、
それを見て見ぬ振りをして来たけど。