LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「なら、お前ら、本当にお互い愛し合っているんだって、俺にそれを証明してみろよ?」


「斗希、お前さっきからいい加減にしろ。
その口の聞き方。
お前だって外で色々あって大変なのかもしれないけどな!」


父親は持っていた箸を置き、俺を叱り付けるような目を向けている。


もしかしたら、父親にこうやって叱られるのは初めてかもしれない。



こいつは、基本子育ては母親任せなのもそうだけど、
怒る必要がないくらいに、俺がとてもとてもいい子だったから。


俺はテーブルの上に有った大きな長いグラスを手に取ると、それテーブルの角に叩き付け、割る。



中に入っていた、ビールが床に零れ落ちた。


半分に割れたグラスは、凶器となり俺の手の中にある。



「お前達が愛し合ってる所を見せろよ!
ハッキリ言ってやろうか?
今、俺の目の前でセックスして、それを見せろって言ってんだよ!
出来たら、お前らの言ってる事信じてやる」


そのグラスの割れた先を、両親の方へと向けた。


「斗希、いい加減にしろ!」


父親は立ち上がり、俺からグラスを取り上げようと近付いて来た。


俺は、それを阻止するようにグラスを持つ手で振り払うと、
父親の手が切れて、赤い血がポタリポタリと床に落ち始めた。


「早くしろよ!
しないなら、お前ら殺してやる!
お前ら殺して、俺も死ぬ!」


俺のその言葉に母親は泣き出し、
父親は切れた手の痛みで、俺を怖がり始めていた。

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