LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
ちょうど0時になったら、俺はこの世から居なくなろう。



自分の部屋のクローゼットの中、
何枚ものフェイスタオルを繋ぎ合わせたそれを、
ステンレスの棒にくくりつける。



後、10分程で、日付が変わる。



0時になれば、これに首を通して…。



そう考えていた時、勉強机に置いていた俺の携帯電話が、鳴り出した。


その相手が誰か、折り畳み式の携帯電話を開き確認するが、そこに出ているのは公衆電話の文字。


俺の携帯に公衆電話から掛けて来る人物は、一人しか居なくて。



「はい。篤どうしたの?」


電話に出て、名乗る前にそう訊いた俺に、驚いたように息を飲んでいるのが分かった。



『なんで俺だって、分かんだよ?』


「え?なんとなく。
それより、なに?」


『あんな、今からちょっと出て来れねぇか?
すぐそこに居んだけど』


すぐそこの公園の横にある、公衆電話からかけているのだろうな?


「分かった。すぐ行く」


そう言って、電話を切った。


円さんからあの事を聞いたのだろうか…。


でなきゃあ、女の家に泊まりに行った篤から、こうやって呼び出しなんてないだろう。


俺は今から、篤に殺されるのかも、な。


なら、これはもういらないか。


そう思い、クローゼットにくくりつけているそれに目を向けた。


それが人を殺すものだと思うと、
背にゾクリと戦慄が走った。

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