LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
その夜を境に、俺は変わった。


毎日のように通っていた塾を辞め、
部活も辞めて、放課後は毎日のように篤と過ごすようになった。


そうすると、自然と俺も篤の居る不良グループの一員みたいになった。


タバコはしないけど、
酒を飲んだり、多少、喧嘩をするような事もあった。


篤やその仲間には、先に相手に手を出すな、物を盗むな、
とにかく、警察に捕まるような事はするなと言い、目を光らせた。


塾は辞めたけど勉強は変わらず続けていたから、
不良グループに居ても、俺は秀才のまま。


あの夜の翌日、両親には何もなかったかのように俺が話し掛けると、
母親も父親も今までと同じような態度を返して来た。


ある意味、両親に対して、流石だな、と舌を巻いてしまう。


けど、上辺はそうでも、両親が俺に対してあの夜を境に畏怖の気持ちを抱いている事には気付いている。


あの夜みたいに、また俺が豹変する事に、常に怯えていて。


いつも俺の顔色を伺っているのを、ひしひしと感じた。

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