LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「あいつが変な奴なのも、その辺りの影響なのかもな」


斗希の人格形成に、両親の影響は大きいとは、私も思う。


後、幼い頃から側に居る、この人の影響も良くも悪くも受けている。


「川邊専務が言う、斗希が変だと思うのは、どういう所ですか?」


この人は、斗希の何が変だと思うのか?


私のその質問に少し考えた後、
川邊専務は机に置いてたボールペンを手に取った。


「例えば、このボールペンを腕にぶっ刺したら、誰でもいてぇだろ?
痛いけど、それが気持ちいいって刺しまくってる奴が居たら、こいつ変だな?って思うだろ。
んな、感じだ」


え、と自然と口から出てしまう。


そんな感じと言われても、分からない。


「昔からどっかで思っていた。
なんでこいつ俺と一緒に居んだろって。
俺はあいつが好きだから一緒に居たけど。
斗希はそんな感じじゃねぇような気がする」


その言葉に、ドキッとしてしまった。


もしかして、川邊専務は、斗希が川邊専務に抱いている、その気持ちに気付いているのだろうか?


好意に隠されるようにある、この人に対する憎悪を。


それとも、実は逆なのか…。


憎悪の中に、好意があるのか。


そう思うと、先程のボールペンの話も分かるような気がした。


「あ、後あれだ!
あいつ、男の癖にAVとかそれ系を妙に毛嫌いしてて、ぜってぇ観ねぇし。
なんかすげぇ変な奴だなって」


それは…斗希にはトラウマがあって…。

と、思いその誤解を解いてあげたいけど。


それは、言えない。

< 169 / 288 >

この作品をシェア

pagetop