LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
金曜日の夜である今。


斗希の帰りが遅くて、私は不安になっている。


もうすぐ、日付が変わろうとしているのに、斗希は帰って来ない。


明日は斗希も休みだから、仕事場の誰かと飲みにでも行っているのかもしれない。


もっと単純に、仕事かもしれない。


けど、もしかしたら、浮気しているのだろうか?


そう考えると、不安で胸が苦しくなって、
そんな自分に戸惑う。


ふと、昨日の夜の事を思い出した。



「もう2時か。寝ないと」


斗希はベッドボードのラックに置いてある目覚まし時計を手に取り、見ている。


その目覚ましのタイマーは、5時30分で、
7時にはこの家を出る私に合わせてくれている事に気付いたのは、一緒に暮らし出して少ししてから。

斗希は、この時間に起きて、 6時過ぎには、朝食を用意してくれている。


斗希は、私より家を出るのが一時間以上遅いので、本来なら一時間長く眠れる。


だから、朝食の用意はいいから、と一緒に暮らし出してすぐの頃に言うと、


「結衣が出て行った後、家事の時間に充ててるから気にしないで。
今迄帰って来てからしてたけど、
朝からする方が、最近楽だって気付いた」


そう言われた。



「斗希、早く寝ないと」


斗希の腕の中、私がそう言うと、
返事の代わりに、額にキスをされた。


先程迄、私は斗希に抱かれていた。


私と体の関係を持ってから、斗希は浮気を辞めた。


私がそう思っているだけで、実際は分からないけど。


毎夜、そうやって斗希に体を求められる事が、浮気していないのだと思う根拠なのだけど。


後、帰宅時に、斗希から他の女性の匂いや、シャンプーのような香りがしなくなった。

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