LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「円さんの旦那宛に、送られて来たらしい」

その言葉に、宛名をもう一度確認する。


そこに書かれた住所には、私も見覚えがあって。


その宛名の、木村正人は、円さんの旦那さんの名前なんだ。


そういえば、興信所の報告書で円さんの事を調べて貰った時に目にしたかもしれないけど。


覚えてなかった。



「今日の昼、円さんから連絡あって。
仕事終わってから、円さんの家でさっき迄旦那さんと話していたんだけど…。
とりあえず、本当の事を旦那さんには話した。
俺が無理矢理って。
旦那さんもまた馬鹿みたいにいい人で、俺を訴える事はしないって。
事前に、円さんが俺の事を篤の幼馴染みだと話していたみたいで。
それで」


その、訴えるは、普通の不倫の場合の慰謝料請求という事ではなく、
強姦や脅迫、もしかしたら、他にも何かの罪になるのかもしれない。


この人が、円さんにしていた事は、そういう事。



「とりあえず、良かったよ。
円さんの家庭が壊れる事なくて。
けど、今まで通りってわけにはいかないだろうけど」


それは、そうかもしれない。


円さんは脅されていたのだとしても、
旦那さんとは別の人と体の関係を持っていて。


それを旦那さんに知られて、何事も無かったように、なんて無理だろう。


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