LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
私は、斗希の部屋の扉を開けた。


その瞬間、息を飲む。


部屋の中は、滅茶苦茶に荒れていて。

散乱した本や物で、足の踏み場もなくて。

それは、斗希の心の中を現しているようだった。


私も斗希も今苦しいのは、何も罪もない人達を傷付けて。


その事に、私達が苦しいなんて思う事は、筋違いなのも分かっている。


だけど、苦しくて――…。


リビングに、機械的な音が響いた。


それは、一般的なチャイムの音とは違うけど、来客を知らせるもの。


私は、リビングにあるインターホンのモニターに近付き、確認する。


そこには、女性が写っていて。


歳は30歳くらい?


第一印象は、派手だな、という印象。



「はい」


私は迷いながらも、応答した。


『斗希さんの奥さん?
斗希さんは?』


斗希の知り合いなのだろうか?


「斗希は仕事ですけど」


本当に仕事かどうか分からないけど。


それも伝えた方が、いいだろうか?


そもそも、知り合いなら、携帯の番号くらい知っているだろうし、
斗希に連絡してないのだろうか?


『そう。
ねぇ、斗希さんの事で奥さんに話があるんだけど。
部屋に入れて』


そう笑う顔は、斗希が仕事で居ない事を知っていたのではないだろうか?


この人の用があるのは、私?


「―――分かりました」


私は、エントランスのオートロックを解除した。


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