LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「あの免許証は、本物ですよ」
「えっ?」
「あれは、私の姉のものです」
「えっ?!
じゃあ、お前双子…。いや、それなら生年月日がおかしいよな」
ここまで言ってもまだ分からない成瀬社長は、鋭いのかそうじゃないのか。
「私は…本当の名前は寧々です。
あの免許証は、二つ年上の姉のもので」
私は、観念したように話した。
もう、嘘を付く事に意味がないと思った。
「―――そうか。
しっかし、姉妹本当にそっくりなんだな。
あれ、どう見ても同一人物にしか見えない。
なるほど。それで篤のやつ今回の事、思い付いたのか」
「あ、待って下さい!
思い付いたのは、篤さんじゃない」
この作戦の全てを考えたのは、斗希さん。
「ふーん。篤以外にも、色々絡んでんのか。
確かに、篤がこんな手の込んだ事しないか」
全部、話した方がいいのだろうか?
この人の腹違いだとかいうお兄さんが黒幕だとか、
篤さんは、癌の母親の為に、とか?
斗希さんの事も、そう。
「ま、その辺りはどうでもいいや。
篤がなんで俺を嵌めようとしてんのかも」
「えっ?」
成瀬社長は、あまり細かい事を気にしない主義なのだろか?