LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
その数日後。


斗希さんを、呼び出した。


それは、初めにAV出演を持ち掛けられた、あの公園。


「久しぶり」


こちらに歩いて来る斗希さんは、何もなかったように笑みを浮かべていて。


その顔を、睨み付けてしまう。


「忙しい所呼び出してすみません」


その嫌味にも、変わらず笑っている。



「来ないと殺すと迄言われたら、来るよ」


斗希さんは私の目の前に来ると、立ち止まった。


私に向けているその笑みは、私を嘲笑っていて。


本当に、なんでこんな男を好きだったのだろうと、思ってしまう。


「斗希さん、私を騙してたんですよね?」


「騙しては、なくない?」


ふてぶてしくそう答える顔を、さらに睨み付けてしまう。


「騙してたでしょ?
私と付き合う気なんかないのに、付き合うとか言って。
それに、忙しいって嘘付いて、滅多に私と会ってくれなかった」


あれだけ忙しいと会えなかったのに、
ちょっと脅せば、こうやってやって来る。



「本当に忙しかったんだけど。
大学もそうだし、資格取得の勉強も。
それに、彼女居るから忙しくて。
まあ、彼女は時々変わってるんだけど」


その彼女と言う言葉に、以前の私ならショックを受けたかもしれない。


今は、そうやってバカにされているのだと、屈辱感が込み上げる。


「寧々が付き合いたいなら俺と付き合う?
約束だったし。
今の彼女も、そろそろ別れようかと思っている所だから」


「誰があんたなんか!」


そう怒鳴ると、斗希さんは何処か楽しそうに笑っている。

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