LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「うちの家、けっこうお金はあって。
うちの父親と篤の母親、多分そういう関係。
だから、うちの父親に頼めば、こっそりと200万くらいならくれたかもしれない。
くれなくても、貸してくれたり。
まあ、あくまでも、かもしれない、だけど」
その言葉に、背筋がゾクゾクとして来る。
「その社長の事は、俺は知らないけど、
そうやって今回の事を逆に利用されたのは、ちょっと面白くはないね」
この人は、そうやって知らない成瀬社長の事を、自分の策で犯罪者に仕立て上げる事を、楽しんでいたんだ。
「今回、警察にリークしたのもその社長なんだろうな。
おかしいと思ってた。
何処から漏れたんだろうって。
公になるのは、寧々のあのDVDが発売されてからの予定だったのに」
そう言って、私を見る斗希さんは再び笑っている。
こんな状況で笑っているからこそ、それが怖くて。
「悪人の成瀬社長は、寧々のそのDVDが出回らないように、発売前に販売中止になるようにしてくれたんだろうね。
そのタイミングも、絶妙。
それが早過ぎたら、そんな撮影なんてしてないと向こうのメーカーにもみ消されるし。
だから、発売日が告知されて、すぐ。
ネットでパッケージの写真くらいなら、既に見た人間は居るかもしれないけど、肝心の中身は、そうやって誰にも見られなくなったね」
また一つ、新しいその事実に、体が震える。
成瀬社長のおかげで、私のDVDは世間に出回わらなかった。
そして、目の前のこの人は、
平気で私をそうやって見せ物にしようとしていたんだ。