LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
私はポケットからスマホを取り出すと、
篤さんに電話をした。


『寧々、どうした?』


篤さんのその声に、スマホを握りしめた。


「斗希さんから、聞きました。
無事に、残りの200万受け取ったって」


『―――ああ。
お前、マジでAV出たんだな?
なんか、発売されないみたいなのニュースで見たが。
ちゃんとギャラは貰えたのか?』



そう言えば、この人にはお金が欲しいからAVに出たいと話していたな、と思い出した。


何も知らないこの人にも、怒りが湧く。

元々は、この人のせいで、私はAVなんかに…。


「お金、貰いましたよ。ちゃんと。
成瀬社長、前から分かってましたよ?
私の年齢が18歳未満な事。
彼は彼なりに訳があって、私をそのままAVに出演させたけど。
だから、成瀬社長、篤さんに騙されているって知ってて…。
あ、騙されてないから、騙されているって言わないか」


『お前、一体何が言いてぇんだ?』


私が喧嘩腰だからか、篤さんの言葉もそうやって険しくなる。


「それでも、成瀬社長は信じていた篤さんにそうやって裏切られて、苦しんだと思う。
きっといつか篤さんも、同じような目に合うでしょうね。
信じてた人に、裏切られて」


それは、斗希さんに。


あの人は、いつかこの人を裏切るだろうな。


いや、もう裏切られているかも。


先程の、斗希さんの言葉だってそう。


ただ単に、あの会社で楽しそうに働いている篤さんが、気に入らなかったって。



「斗希さんと、これからも仲良くして下さいね。
じゃあ、お元気で」


私はそう言って、その電話を切った。



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