LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「なんだ、その話。
なんでお前の旦那は、寧々の話を信じねぇんだ?
聞いてる感じ、その旦那の友達ってのが、すげぇ、怪しいじゃんかよ」
川邊専務と同じような事を、私も思ったけど。
この話は、もっと続きがあるじゃないか、という気がした。
「世の中には、善意を装った第三者が居て。
一人の女性がある日私の元にやって来て。
色々教えてくれた。
彼、浮気してたんだって。
その女性は、彼の浮気相手の女性と友達みたいで。
あれなんだって。
彼、私と離婚したくて、友達に協力して貰って私を騙したんだって。
私の不貞で離婚になるように。
お酒にも、睡眠薬を入れて…」
「なんだ、その話。
お前、その旦那呼び出せ!
ぶん殴ってやる!」
川邊専務と同じように、私もその旦那に対して怒りがこみ上げてくる。
斗希は、どう思っているのだろう?
「別に、もうあの人の事なんてどうでもいい。
けど、日奈(ひな)は…。
日奈に会いたい。
日奈を返して欲しい…」
寧々さんは、日奈という名を何度も呼び、涙を流している。
多分、それが寧々さんの子供の名前なのだろう。
「それで、斗希さんと篤さんの事を思い出した。
彼らもそうだけど、そうやって友達同士で協力して、私の事嵌めて、一緒で。
そんな時に、中学の時の同級生にバッタリ街中で会って。
瑛太(えいた)。二人知ってるでしょ?」
「ああ。
俺の嫁の、兄だ」
そういえば、前に川邊専務が言っていた。
"ーー俺と梢は…。
元々知り合いってか、昔、俺と梢の兄貴が仲が良かったんだーー"