LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「俺よりも篤、なんとかしてやれない?
お前のコネで、昼の仕事に正社員として。
親権取り返すには、それなりに環境が整ってないと」
「ああ…。ベリトイ以外の系列の会社なら、なんとかなるかも…。
あ、昔の俺の直属の部下が、今社長やってる女性向きの雑貨の企画販売の会社があって。
その社長は女性なんだが子持ちで、だから、働く母親に寛大だし。
そこが、一番いいな。
寧々の子供、まだちっせぇだろ?
この先、子供がお前の手元に戻って来たら、子供育てながら働く事になるし。
そんなにデカイ会社じゃねぇけど、ベリナンの傘下だし、安定してるし」
「とりあえず、そこで数ヶ月働いて実績作って。
親権変更の調停は、それからで。
後、その寧々を嵌めた旦那の友人って奴にも、本当の事を話して貰おうか。
旦那側が有利に離婚して親権を取る為に、協力したって」
「で、でも…。
その人、旦那と凄く仲良くて…。
幼馴染みとかで…。
だから、そんな簡単に本当の事を話してくれない」
幼馴染み…。
それも、その人達と斗希と川邊専務とが重なって見えた理由だろうな。
「寧々、高杉(たかすぎ)分かる?」
「あ、うん。同じクラスにはなった事ないけど、同級生だから。
彼の噂は…。
父親が暴力団の組長だとか」
斗希と寧々さんの会話で、その高杉さんも同じ中学で、家が暴力団なのだと知る。
「俺、高杉と今も仲良いから。
その旦那の友人だとかいう男の口を割らせるのは、高杉に頼むから。
あいつ、今、父親の組で若頭になってる」
「ありがとう…斗希さん…篤さん…。
私…二人に酷い事したのに」
「謝るな。
謝らないといけないのは、俺らの方だ。
寧々、悪かった」
川邊専務は、寧々さんに頭を下げていて。
けど、斗希は頭を下げる事はなく、
何を考えているのか分からない表情で、
そんな二人を見ていた。