LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「あ、成瀬さん!
今、寧々と一緒なんですけど…。
ああ、そうです。
マジ、有り得ないんすけど…。
成瀬さんって、けっこうそうやってネチネチ根に持つ所ありますよね?

え、そりゃあ、あの時の俺も悪かったですけど…。

ああ、まぁ、あの時、成瀬さんが飛び降りたって聞いて、
俺、本当にどうしようかと思いましたけど。
いや、確かに俺が悪かったですって…。

ほら、空気悪くしたくないから、この話題は避けてましたけど…。


ほんと、すみません」


その後暫く、川邊専務はその成瀬社長に謝っていた。


そして、



「また、LINEします。
みんなで飯でも行きましょう」


そう言って、電話を切っていた。


「斗希さんにはちょっとやり過ぎたかもしれないけど、
スッキリとした」


寧々さんは、そうポツリと溢した。


多分、寧々さんが言っているのは、
川邊専務のお姉さんの旦那さんに、あの写真を送りつけた事だろう。


川邊専務にはそれを暴露するつもりがないからか、
ここでハッキリと言わないのだろう。

そして、私も、あの写真を円さんの旦那さんに送ったのが寧々さんだって事は、斗希には言わないでおこう。


「とりあえず、俺寧々送って行くわ。
そのついでに、さっき話してた会社の説明やらしとくから。
斗希、お前には色々と言いたい事はあるけど、とりあえずは保留だ」


「―――うん。
また、その事はゆっくりと話そう」



斗希がそう言うと、川邊専務と寧々さんは、
リビングから出て行った。


そして、この部屋に、私と斗希の二人になった。
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