LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「川邊専務の奥さんが発案した商品の新シリーズは、こちらになります」
そのベンダー事業部の男性が手を向けた先には、
その美少女アイドル戦士シリーズ初代の、クリップのようなものが並んでいる。
「お、なかなかいいじゃねぇか」
川邊専務は顔を綻ばせ、それを見ている。
詳しくは知らないけど、川邊専務の奥さんも私が入社する前にこの会社で働いていたのは知っている。
その時、川邊専務の奥さんが、このカプセルトイのこの商品を発案したんだ。
目の前の二人の会話を聞いてる感じ、
その商品はそこそこヒットして、
今もそうやって新シリーズが発売されているみたい。
そして、今回のこの視察の川邊専務の本来の目的は、
このカプセルトイの新シリーズを発売前にいち早く見たかったのだろう。
それは、個人的に。
「写真撮っていいか?」
「あ、はい。
本来はダメなのですが、専務なら問題ないでしょう」
そう言われ、川邊専務は取り出したスマホのカメラで、その商品を撮っている。
その後、暫くスマホを弄っていて、
きっと、奥さんにでもその写真を送ったのだろう。