LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「結衣、好きだよ」
その言葉に、えっ、と触れていた頬を離してしまう。
「今日、寧々から結衣を殺すって電話があって。
その時、分かった。
俺にとって結衣が、形だけの妻じゃないって。
すぐに篤と連絡取り合って、俺必死で此処に戻って来てた」
再び、私は斗希の肌に頬を付ける。
斗希の声が、振動となって伝わって来る。
「でも、俺…。
人を上手く愛せないから。
きっといつか、結衣の事を傷付けてしまう。
なんでか、自分でも分からない」
「怖いんじゃない?
好きな人を大切にして、もし裏切られたらって。
傷付けていたら、もし、その大切な人が自分から離れて行っても、
それでなんだって割りきれるから。
先に裏切っていたら、裏切られても、仕方ないんだって」
私のその考えが当たっているのかどうかは分からないけど、
斗希はそれを否定しなかった。
暫く、私も斗希もそのまま動けなかった。