LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~


「あれから、全然篤と会ってないんだけど。
元気にしてる?」


セックスの後、そう訊かれる。


斗希のいうあれからは、あの寧々さんが此処に来た以来って事だろう。


この口振りだと、連絡すら、取ってなさそうだな。


「今の私は、それほど川邊専務と仕事上接点ないから。
1日、1回くらいは顔を合わせるけど、元気だと思う」


「そう…」


あれから、どうなったのだろう、と気にはなっている。


寧々さんの事もそうだけど、
それ以上に、川邊専務と奥さんとの関係。


私との事を、奥さんに知られて…。


川邊専務の左の薬指には、毎日変わらず結婚指輪が光っているけど。



「ま、いいか。
寧々の事もそうだけど、何かあるなら、篤の方から連絡して来るか」


斗希は、話を打ち切るように、目を閉じた。


その寝顔を見ながら、どうしよう、と思う。


私は、妊娠しているかもしれない。


斗希と結婚した辺りから、私はもうピルを飲んでいなかった。


その理由は、単純に、手元の分が無くなった事と、そういう事をする相手がもういないから、もうピルを飲む必要がないと思ったから。

ピルを辞めてすぐに生理が来て、
次の生理は、少し遅れてだけど来て。

今回、生理がもう一週間以上遅れている。


それで今日の夜、帰って来てからこっそり妊娠検査薬を使った。


結果は、陽性だった。


まだちゃんと病院に行っていないからあれだけど、
私は、妊娠しているかもしれない。


それは、斗希の子供なのだろうか?


自分で計算してみたけど、いわゆる排卵日辺りに、斗希だけじゃなく、眞山社長とも私は関係を持っている。


あの日、呼び出されて、なんで私はホテルなんかに…。


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