LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~

翌日、私は仕事が終わると、会社の近くのレディースクリニックを訪れていた。


そして、尿検査と内診を受ける。


診察台に乗り、画面に写るエコーの動画を見る。


正直、これが子供だなんて言われても、よく分からないのだけど。


その女性の医師は、これです、とその丸いような塊の長さを測ったりしている。


「微かだけど、もう心拍も確認出来ますね。
来週辺りなら、もっとハッキリと分かると思いますよ」



「私がいつの行為で妊娠したか、分かります?」


そう訊いた私に、その女医さんは、
近くにある卓上カレンダーを手に取り、


「この辺り、でしょうか?」


と、ザックリと一週間程の日数をなぞる。


そこには、やはり眞山社長とのあの日も含まれていて。


「滝沢さんは、ご結婚されてらっしゃいますよね?
出産希望だと…」


そう訊かれたのは、私の顔が暗かったからだろうか?


最初の問診票に、既婚だと書き込んだ。


そして、もし妊娠していたら出産を希望するかどうかの問いには、希望するに丸を付けている。


「はい。
勿論、産みます」


半分の可能性でも、お腹の子供は斗希の子供。


もし本当に妊娠していたら、産もうと思っていた。


斗希の子供かもしれないのに、堕ろすなんて、考えられない。


もし、眞山社長の子供だとしても、

こうやって本当に妊娠していると知って、
堕ろせない。


どちらが父親でも、この子は、私の子供。

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