LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
その日の夜。


斗希は、22時を回る頃に帰って来た。


「斗希、話があるの?」


玄関でそう告げる私に、首を傾げている。


告げた私の顔が、深刻だからだろう。


「分かった。
とりあえず、着替えさせて。
それから話聞く」


斗希はそう言って、私の横を通り過ぎて行った。


リビングへと行き、ソファーではなく、私はダイニングテーブルの椅子に座り、斗希を待つ。


「なに、話って?」


スーツから楽な部屋着に着替えたその斗希の顔には、ほんの少し仕事の疲れが浮かんでいる。


そのちょっと隙のある顔を見ていて、
ああ、私、この人を本当に好きなんだな、と思う。


私は斗希が座わったのを確認すると、膝に置いていた大きな白い封筒を手に持ち、そこから一枚の紙を取り出した。


それは、離婚届。

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