LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
ノックをすると。
中から返事があり、扉を開き専務室へと足を踏み入れる。
川邊専務は執務机の前に座っていて、特に何かをしていたわけではなさそう。
「俺に、何か用か?」
そう訊かれ、はい、と頷いた。
「その持ってるやつはなんだ?」
「これはいつか私が間違えて用意し損ねた、マリトイトイ副社長山本礼二氏の、経歴を纏めたものです。
流石に、手ぶらでこちらに伺うのもあれなので」
私は執務机に近付くと、それを机に置いた。
「で、なんだ?」
相変わらず、目付きの悪い人だな、と思ってしまった。
「あれから、寧々さんどうなりました?」
私のその問い掛けが予想外だったのか、少し拍子抜けしたような表情を浮かべている。
「ああ…。
今週から、言ってたうちの子会社で働き出している。
親権とかの問題は、まだまだだけど」
「そうですか」
とりあえず、寧々さんの事はいい方向に向いていて、良かった。
「後、川邊専務と奥さんの問題は…」
川邊専務の左手の薬指には、今日も結婚指輪が光っている。
それは、シンプルなプラチナのリング。
私と斗希には、手に入れられなかったもの。
中から返事があり、扉を開き専務室へと足を踏み入れる。
川邊専務は執務机の前に座っていて、特に何かをしていたわけではなさそう。
「俺に、何か用か?」
そう訊かれ、はい、と頷いた。
「その持ってるやつはなんだ?」
「これはいつか私が間違えて用意し損ねた、マリトイトイ副社長山本礼二氏の、経歴を纏めたものです。
流石に、手ぶらでこちらに伺うのもあれなので」
私は執務机に近付くと、それを机に置いた。
「で、なんだ?」
相変わらず、目付きの悪い人だな、と思ってしまった。
「あれから、寧々さんどうなりました?」
私のその問い掛けが予想外だったのか、少し拍子抜けしたような表情を浮かべている。
「ああ…。
今週から、言ってたうちの子会社で働き出している。
親権とかの問題は、まだまだだけど」
「そうですか」
とりあえず、寧々さんの事はいい方向に向いていて、良かった。
「後、川邊専務と奥さんの問題は…」
川邊専務の左手の薬指には、今日も結婚指輪が光っている。
それは、シンプルなプラチナのリング。
私と斗希には、手に入れられなかったもの。