LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「それで滝沢君、今日は何の用?」



「それなんですけど」


斗希は、私よりも前に一歩出る。


それは、少し私を押し退けるように。



「単刀直入に言いますけど、
篤の奥さん宛てに、あの写真や音声が入った封筒を彼らの家のポストに入れたのは、あなたですね?」


その斗希の言葉に、驚いて眞山社長の顔を見てしまう。


その口角が、楽しそうに上がる。



「あの写真は、ベリトイの社員の誰かに撮らせました?」


そう言えば、あのイベントにはうちの会社の社員も沢山参加していたし、
同じホテルにも何人もうちの社員が宿泊していたはず。



「この会社に、あなたと同じように、元々NANTENスクエアの社員が数名居ます。
そうやって、あなたの息が掛かった社員にでも、あの出張の時篤の事見張らしてました?
実際に篤と結衣が過ちを起こさなくても、そんな風に見える写真でも押さえて来い、と」



「あれ?滝沢君にしては、そんな憶測だけの言葉だけしか用意してないなんて」


「篤の住んでるマンション、エントランスのポスト付近に防犯カメラがあって、管理会社に頼んで見せて貰いました」


その言葉には、眞山社長も少し動揺を見せていた。



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