LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
その南常務との会食が終わり、私と川邊専務は、今日宿泊予定のホテルへとタクシーでやって来た。


私がフロントでチェックインを済ませ、
川邊専務へルームキーのカードを手渡した。


私と川邊専務の部屋のランクが違うから、
部屋も離れていて階も違う。


だけど、一緒にエレベーターの方へと向かう。


「今から飲みに行きませんか?」


その道中、私がそう口にすると。


「え、今からか?」


そう、怪訝そうな顔で川邊専務は立ち止まった。


時刻は、現在21時を過ぎた所。


少し、飲みに行くには遅い時間かもしれない。


「はい。
先程のああ言った堅苦しい店だと、どうしても食べた気もしなくて。
それに、ちょっと飲みたくて」


先程の店で、私はお酒は口にしていない。

あの場で飲んでいたのは、川邊専務と南常務だけ。


「まあ、明日はけっこう朝遅いけどなぁ」


特に私の誘いを疑う事もせず、川邊専務はそう思案している。


「ほら、向かいのビルに笑い鳥が入っているのが見えたので」


「マジか?それはアリだな」


その[笑い鳥]は、飲み物フード全品税込300円の、居酒屋チェーン店。



「じゃあ、お互い荷物置いて、店の前で集合って事でいいな」


その川邊専務の言葉に、頷き笑顔を浮かべる。


もし、私の誘いが、このホテルとかのオシャレなバーだとしたら、
少しは、この人も警戒したかもしれないだろうな。




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