LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「今日、結衣の実家に行って来た。
こないだの無礼を結衣のお母さんに謝るのもそうだけど、
結衣が妊娠している事を伝えて来た。
そしたら、それ、渡された」
斗希の言葉を聞きながら、通帳のページを捲る。
それは、私の幼い頃から、少しずつ貯金されていて。
最近の方を見ると、毎月10万円ずつ増えて行っている。
最近のその10万円は、私が母親に返済として渡していたお金だろう。
合計で、500万円近くあった。
「里帰り出産はしないで、とか相変わらずだったけど」
そう、苦笑している。
その古ぼけた通帳を見ていると、
私はずっと母親に愛されていたのだろうか、と、そんな気持ちにさせられた。
「遠いのに…」
私の実家は、電車で往復四時間の距離。
「いいよ。けっこう本読めたし。
それに、色々と考えれたから。
俺はちゃんと結衣を幸せにしてあげられるのか」
斗希はそう言うと、
「一緒に幸せになろう」
そう伝えてくれた。
「あ、後、指輪買わないと。
前回、色々あって買いに行けなかったから。
今から行こっか」
そう言って、斗希は私の手を握ったまま、ベンチから立ち上がる。
私も同じように、立ち上がった。
「嫌?」
そう訊かれるけど、それはどの事に対してなのだろうか?
一緒に幸せになる事なのか、指輪を買いに行く事なのか。
繋がれたままの手なのか。
【終わり】
こないだの無礼を結衣のお母さんに謝るのもそうだけど、
結衣が妊娠している事を伝えて来た。
そしたら、それ、渡された」
斗希の言葉を聞きながら、通帳のページを捲る。
それは、私の幼い頃から、少しずつ貯金されていて。
最近の方を見ると、毎月10万円ずつ増えて行っている。
最近のその10万円は、私が母親に返済として渡していたお金だろう。
合計で、500万円近くあった。
「里帰り出産はしないで、とか相変わらずだったけど」
そう、苦笑している。
その古ぼけた通帳を見ていると、
私はずっと母親に愛されていたのだろうか、と、そんな気持ちにさせられた。
「遠いのに…」
私の実家は、電車で往復四時間の距離。
「いいよ。けっこう本読めたし。
それに、色々と考えれたから。
俺はちゃんと結衣を幸せにしてあげられるのか」
斗希はそう言うと、
「一緒に幸せになろう」
そう伝えてくれた。
「あ、後、指輪買わないと。
前回、色々あって買いに行けなかったから。
今から行こっか」
そう言って、斗希は私の手を握ったまま、ベンチから立ち上がる。
私も同じように、立ち上がった。
「嫌?」
そう訊かれるけど、それはどの事に対してなのだろうか?
一緒に幸せになる事なのか、指輪を買いに行く事なのか。
繋がれたままの手なのか。
【終わり】