LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
暫くして、私のモスコミュールと川邊専務の焼酎のお湯割りが運ばれて来た。

私達は、それで乾杯をする。


「にしても、あれだよな。
小林とこうやって話すのも初めてだよな?
仕事中のお前、余計な事は話し掛けてくれんなって雰囲気出てるし」


「そうですか?」


私って、仕事中そんな雰囲気なんだ、と、モスコミュールに口を付けた。


その時、頼んでいたつけ盛りがテーブルに置かれた。


「川邊専務も、食べるなら食べて下さいね」


「いや、俺はいらねぇ」


そう歪められた顔を見て、この人は漬物が嫌いなのだと思った。


「川邊専務の奥さん、元々うちの社員なんですよね?」


「ん?ああ。
社内恋愛ってやつだな」


特に照れもせず、さらっとそう口にしている。


「どちらから好きになったんですか?
いや、もう、奥さんとの馴れ初めとか教えて下さいよ」


「お前、意外にそんな話好きなんだな?」


その言葉を聞き、普段の私はそんなにも堅物に見えているのか?と思ってしまった。


「俺と梢は…。
元々知り合いってか、昔、俺と梢の兄貴が仲が良かったんだ。
で、うちの会社で梢と再会して。
まぁ、なるようになったってわけだ」


なんだか、その雑な説明で、分かるような分からないようなで、
そうなのですね、と相槌を打つ。



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