LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
この薬の事を知ったのは、インターネットの掲示板。


[XYZ]というクラブで手に入ると、そこには書かれていた。


私は半信半疑でそのクラブへと行き、
その売人を探すようにフロアをウロウロとした。

ちょうど、一時間経った頃。


一人の若い男性が、私に近付いて来た。


それは、男性というより男の子って感じで。

多分、10代だと思われる。



「お姉さん、あれ、欲しいの?」


ガンガンと音楽でうるさいその場所。


耳打ちされた、その言葉。



「そう。売ってくれない?」


私も真似るように、その男の子の耳元でそう囁く。


黒い髪色で前髪の揃った、可愛い顔したその男の子。


こんな可愛い子が、薬の売人なんて、この世の中私の知らない世界はまだまだ一杯あるんだな、と思った。


「ちょっと、こっち来て」


そう腕を引かれ、ひとけのない通路へと来た。


「一つ、1万」


そう切り出された。


「じゃあ、二つ、2万ね」


私は鞄の中の財布から2万円を取り出し、
その男の子に渡した。

その男の子はそれを受け取ると、


「はい」


と、二つの小さなチャック付きのナイロンの袋を私に渡して来た。


その白い錠剤は、裸のままそうやって袋に入れられている。


「…ありがとう」


私は戸惑いながら、それを受け取る。

ネットでは、この薬は覚醒剤ではないが、
違法的なドラッグだと書いていた。


海外から流れて来ていて、暴力団が売りさばいているとか。


目の前のこの子が、ヤクザには見えないが、
この子もヤクザと、繋がっているのだろうか?


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