LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「あ、」


私は、川邊専務の上に覆い被さるように倒れ込んだ。


「酔ってんのか分かんねぇけど。
ヤりたくて仕方ねぇ」


川邊専務の手が、私のスーツの上着を乱暴に脱がせて、胸を掴むように触れ出した。


私は、薬を飲まずに冷静だからか、
その事に、怖くて体が震える。


もっと、お酒を飲んでいれば良かった、と思う。


先程のモスコミュールの酔いが、一気に覚めたのが分かる。


川邊専務は、体勢を変えるように私をベッドへと押し倒し、私の上へと体を乗せて来た。


すぐに、川邊専務の顔が近付いて来て、私の唇と川邊専務の唇が重なった。

強引に力強く、唇を割り舌をねじ込まれる。

川邊専務の唇もその舌も、とても熱い。


今さらだけど、やはり嫌だと、川邊専務から逃げようとするが、
少し押したくらいでは、それはびくともしない。


きっと、本気で抵抗しても、逃げられないだろうと、思う。



川邊専務は体を起して、ワイシャツと下に着ていたシャツを乱雑に脱ぎ捨てた。


そして、怯える私を見下ろす。


つい先程迄、この人は浮気は絶対にしないと言っていたのに。


本当に、薬の効果は凄い。


再び、川邊専務は私に体を乗せて、キスをして来た。


私の脳裏に、先程見せてもらった、
この人の三人の娘の顔が浮かぶ。


そして、移り変わるように、この人の奥さんの顔も。



こうなる事が分かっていたのに、
何故、私はこの人の子供や奥さんの写真を見せて貰ったのだろうか。


その存在が、私に自分のしている事の酷さを感じさせる。


憎いのは、川邊専務でもその家族でもない。


滝沢斗希なのに。


滝沢斗希への復讐には、どうしても川邊専務との事が、必要だった。


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