LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「俺が夕べ、小林を無理矢理…。
全部言わなくても、それで分かんだろ?」


「は?なんの冗談?」


滝沢斗希は笑い飛ばそうとするが、
川邊専務の表情が険しいままで、スーとその笑いが表情から消えて行く。


「俺は、小林にちゃんとそれを償いたいと思っている。
けど、その事を公にはしたくない」


「え、いや、その前に、それは事実なの?
篤がそんな風に女に無理矢理とか、ないだろ?」


少し焦っているようには見えるけど、滝沢斗希はまだ冷静さが残っている。


滝沢斗希の言うように、川邊専務は女性を無理矢理抱くような人間ではないだろう。


普通、ならば。


「夕べ、すげぇ酔ってた…。
だから、あんまり覚えてねぇけど、小林の事無理矢理…」


「酔ってて覚えてないなら、本当にそんな事があったかどうか怪しい。
この女の狂言かもしれないだろ?
篤の事をゆすろうと」


そう言って、滝沢斗希は先程とは違い、しっかりと敵意の籠る目を私に向けて来た。


私もそれを受け止め、睨み返す。

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