LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
翌朝、この部屋の鍵を貰おうとリビングへと行くと、
ダニングテーブルに並べられた、
その朝食を見て、驚いてしまった。


「朝食用意したんですけど、結衣さんも食べませんか?」


ダニングテーブルに座り声を掛けてくる滝沢斗希は、
まだ寝間着のままだけど、その顔は寝起きって感じでもなく。


今まさに食事を始めようとしていた所みたいだったが、
私の姿を見て、席を立ち上がった。



「結衣さんも、味噌汁飲まれます?
ご飯も、普通によそって構わないですか?」


「え、はい…」


戸惑いながらも、そうなんとか頷く。



一体、これは何の真似なのか?と。



「そんな仏頂面してないで、座って下さい」


私の分の味噌汁と、ご飯をよそい、
滝沢斗希はそれをダニングテーブルに置いた。


テーブルの上には、焼いた鮭の切り身と、卵焼きがある。


それは、滝沢斗希と私の分と、二つずつ。


「どうして…私の分迄」


私はそう言葉にしながら、ゆっくりと滝沢斗希の目の前に座った。


「俺、料理はわりとする方なんですよ。
昔から、朝はしっかりと食べていて。
流石に、結衣さんがこの家に居るのに、
そうやって自分の分だけ用意してって、それはちょっと。
あ、夜は俺大体外で食べるか、出来合いのものを買って来る事が多いので、
夜は、結衣さんは勝手に食べて下さい」


美しい所作で、お味噌汁の椀を持ち、
それに口を付けている。


それにしても、私の呼び方も小林さんから、結衣さんに変わっている。


結婚して、私も滝沢になったからか。


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