LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「斗希さん、では、遠慮なく頂きます。
後、夕べのパンもありがとうございました」


私は箸置きに置かれている箸を持ち、黄色い卵焼きから手を付ける。


それは、甘くて塩加減も絶妙で。


この人、けっこう料理が上手なのだと思った。


「別に、斗希でいいですよ?
俺達夫婦なので」


「なら、私も結衣でいいですよ?
後、その鼻に付く敬語も使わなくても」

斗希に、そう言って視線を向けると、
その口が、楽しそうに弧を描いている。


"ーー斗希の奴、スゲェ楽しそうだったぞ。
お前と結婚するのーー"


その言葉の通り、本当に楽しそう。


「じゃあ、結衣。
夕べ遅かったから話せなかったので、
今、朝食を摂りながら今後の話をしよう」


「うん…」


今後の話か。


結婚した以上、この人とはそれなりに話し合わないといけない事があるのだろう。

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