LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「結衣?」


何処か心配そうに斗希は私を見ている。

そこまで、私は今深刻な顔を浮かべていたのだろうか?


「斗希の所は?
挨拶しなくていいの?」


ある意味、勢いで私達は結婚してしまったけど。


自分の家が普通じゃないからか、
斗希の家の事を考えてもなかった。



「うちも、ちょっとね。
一応、お盆に実家に帰ってそれは伝えておいた。
また、結衣の事も実家に連れて来るって、ね。
それは結衣が嫌なら、無理にとは言わないけど」



「え、それでいいの?」


斗希の家は、父親が関東板硝子株式会社という、東証一部上場企業の現在副社長。

その父親側の祖父も、地方で大地主みたいだし。


斗希は、所謂御曹司。


そして、独りっ子だと興信所の調べで知っている。



「うちの両親、俺に逆らえないから」

そう笑う顔に、背筋がスッと冷たくなるような恐怖を覚えた。


逆らえないって…。


この人は、自分の母親と父親を支配でもしているのだろうか?


< 71 / 288 >

この作品をシェア

pagetop