LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
不貞行為
斗希と結婚して、1ヶ月が過ぎた。


その1ヶ月間、仲良くはなってはいないけど、それなりに斗希と私との間に会話があった。


それは、主に本の話なのだけど。


私は本が好きで、昔からよく図書館を利用していた。


斗希が本好きなのは特に意外性はないのだけど、
ただ、斗希はわりと流行り物をよく読んでいて、それが意外だと思った。


勝手なイメージで、小難しい洋書とかを読んでいそうなので。


「あ、それ夕べ読み終えたから。
読む?」


その本はハードカバーで、最近本屋でよく平積みされている人気作家のミステリー。


「うん。読みたい」


リビングのテーブルの上に置かれているその本を、手に取った。


斗希は、今朝食の用意でキッチンに立っている。


一体、どちらが主婦なのか、と思ってしまう。


二回目の、私達の今後についての話し合いの時、
斗希が不在時に私がキッチンを使う事は構わないけど、
使った物は必ず元の場所に戻しておいて欲しい、と言われた。


そして、主な料理担当は斗希となった。


その代わり、掃除や洗濯は私の担当となった。


ただ、斗希の部屋は自分で掃除をするので、
絶対に立ち入るな、と言われている。


だから、私は斗希の部屋に入った事がない。


特に部屋に鍵とか付けているとかではないから、
斗希の留守中入ろうと思えば勝手に入れるけど、
防犯カメラとか仕掛けられていそうだな、と警戒してしまう。


少し、斗希の部屋にある本棚をじっくりと眺めてみたい、という気持ちがある。


斗希が居る時に言えばそれを見せてくれるのかもしれないけど、
なんとなく言えない。
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