LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「その女性が誰か、私が知らないとでも?」
その言葉に、斗希の目が揺れ、
それを隠せない程動揺した顔を私に向けて来た。
「篤に、言う?」
その斗希の言葉で、やはり川邊専務は、斗希とお姉さんとの関係を知らないのだと確信した。
そして、斗希はそれを川邊専務に隠したいのだと。
もし、普通の交際ならば、隠す事は無かったかもしれない。
斗希とお姉さんとの関係は、不倫。
それが、いつからなのかは分からないけど。
「だから、私はあなたと結婚したの」
そう。この為に私は斗希と結婚した。
「現在、斗希の妻である私は、堂々とこの人を責める事が出来るから」
そう。斗希と結婚する前の私には、
その権利が無かったけど。
「何が目的?
訴えて、円さんに慰謝料でも請求するつもり?」
「そうね。
そうしようかな?」
そう笑うと、斗希はただ困ったような表情を浮かべている。