LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「篤との事を公にされたくなければ、
俺に従って?」


そう、勝ち誇ったように笑っている。


それを、この人が公にするはずはないと分かっているけど、その言葉にぐうの音も出ない。


この男に復讐を決意した時は、
別に誰を傷付けても、みたいな覚悟があったのに。


その覚悟は、簡単に揺らいで。


「川邊専務も、あなたみたいに最悪な人間なら良かったのに」


川邊専務もそうだけど、円さんにも何も恨みなんてない。


「だから、結衣の脅しはもう通じないって事」


その脅しを、逆に私の脅しとして使われるとは思わなかったけど。


「じゃあ、もう私と離婚する?」



「いや。
まだ結衣を解放しない。
もう暫く、俺の事楽しませて」


そう、悪魔のように笑顔を浮かべている。


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