LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「結衣はもう食べた?」


「いえ」


川邊専務もその役員会に出席していたので、
秘書の私も先程迄会社に居て、まだ夕食は食べていなかった。


「じゃあ、ワイン注ぐから、座って」


眞山社長は、赤いワインを空いているグラスに注ぐ。


それを、私の方に差し出した。



「私は、話し合いに来ただけだから」


「食べながら話そう。
お腹空いたし」


こちらの感情なんか無視したように笑いかけられ、
私は悔しいと思いながらも席に着いた。


すっかり、眞山社長のペースだな、と。


「ほら、生ハムとクリームチーズのカナッペ、結衣好きだろ?」


そう促すように言われ、眞山社長を見ると、
飲みかけのワインのグラスに口を付けている。


「ワイン、頂きます」


なんとなく、素面でこの人と顔を付き合わせるのが嫌で、それに口を付ける。


悔しいけど、美味しいワインだな、と思った。



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