LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
母親との確執
帰宅すると、リビングの方に人の気配を感じた。


まさか、という気持ちでそちらへと行く。


「おかえり」


ソファに座り本を読んでいた斗希が、
こちらを振り向いた。


「今日、休みなんだ…」


てっきり、今日は斗希は仕事だと思っていたので、居る事に驚いた。


本当に仕事なのかは知らないけど、
土日はいつもスーツで朝から出掛けているから。


そして、週に一度程、平日に休んでいる。


「そう。休み」


特に、それ以上の言葉はない。


私が黙っていると、斗希が口を開いた。


「俺は一応、結婚してる以上気を使って日付が変わる前迄には帰るようにしてるんだけどな。
結衣は、朝帰りか」


その顔にうっすらと笑みが浮かんでいて、
やはり、私の浮気さえもこの人は楽しむんだな、と思った。


「私も泊まるつもりはなかったんだけど、
寝ちゃって」


そう、笑い返してやった。


「そんなに疲れる程、眞山社長って激しいの?」


眞山社長の名前が出て、なんで相手が分かるの、と顔がひきつる。


「あれ?眞山社長じゃなくて、
もしかして、また篤と?」


クスクスと笑うその顔を見て、
そうやってからかわれている感じに腹が立つ。


「そう、眞山社長と。
この女、またそうやって遊ばれて馬鹿じゃないか?って思ってる?」


自嘲するようにそう笑うけど、
自分のその言葉に、改めて自分の馬鹿さ加減に呆れてしまった。


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