私は1人じゃない



私これからどうしよう。


家には入りたくない。


今はママの顔見たくない。


でもお金持ってないし、どうしよう。


でも家に入りたくない。


その思考の繰り返し。


今日は広場で夜を過ごすしかないかな。


昨日は晴天だからか星がはっきり見える。


「綺麗……」


もう足は疲れて、歩く気になれない。


明日のことは明日考えよう…


顔はぐちゃぐちゃで頭で何かを考えられるような感覚ではない。


何かを考えようとすると、今までの記憶が蘇ってしまいそうになる。


ママからやられた全ての傷がえぐられそうになる。


「落ち着こう、落ち着くんだ、私……」


過呼吸になりそうなのを必死に抑える。


それでも今まで我慢してきた苦しい気持ちが出てしまう。



今が自由だからこそ気持ちが出てしまうのだと思う。


また涙は出てきて、綺麗な星が霞んで見える。


「ヒクッ、ヒクッ、、」


泣いても泣いても過去は消えない。


余計にリアルに頭の中に浮かんでそれが私を余計に苦しめる。



今までの私の時間はなんだったんだろう。


少しでも抵抗して、勉強しない方が良かった?


何も作らないで何もしない自堕落な自分でいればよかった?


何が正解なんだろう。


もう頭の中はごちゃごちゃで、









いつの間にか星は完全に見えなくなっていた。



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