私は1人じゃない
「杏衣ちゃん?」
「うん?」
「着いたよ」
いつの間にか家に着いていた。
3ヶ月ぶりくらいの家。
家見ただけで手汗が出てくる。
「怖くないよ杏衣ちゃん」
「……」
「助けて欲しい時は俺に電話でもメールでもいいから絶対にするんだよ」
緊張している私を見てなんとか解そうとしてくれている勇斗さん。
深呼吸をして、シートベルトを外す。
「大丈夫、出来るだけ早く帰ってくるから」
ママと話すだけ。
また叩かれるとは限らないんだから、落ち着いて自分の家に帰ったと思えばいい。
帰省したと思えばいい。