私は1人じゃない
「早坂先生、勇斗さんと似てます」
「え、どこが?」
「優しいし、人の気持ち分かるところとか、」
「俺はそんなことないよ、勇斗から話聞いてたから」
「え?」
「勇斗言ってなかった?広場で倒れて俺の家に最初連れて来たんだよ」
「………そうなんですか!」
「病院に連れて行くと誤解されそうだし下手したら第三者の介入があり得るから俺の家に来てその時も処置をしたよ、それから杏衣ちゃんはどうだって定期的に聞いてるんだ、だから分かるわけで元々人の気持ちがわかるわけじゃないよ、でも勇斗はそういうところある、なんか人が何考えてるか何を求められてるか分かる奴なんだよなあ」
勇斗さん、優しいを超えて気を遣いすぎている天使なんじゃないかなあ。
今まで傷が深くても病院に行くと絶対に疑われるし、(実際そうだけど)でも、その時はママに迷惑かけたくない、会社に迷惑がかかると思っていたから、自分で手当をしていた。
勇斗さんに出会えたことが私の中では奇跡。
すぐに笑うことができたのも、
楽しく生きれるのも、
前の自分を抜け出せたのは勇斗さんのおかげ。
「勇斗さん………」
本当に感極まって涙が出そう。
「そう言う奴だからさ、リラックスして杏衣ちゃんのありのままを出してみなよ、勇斗は受け止めるはずだから」