私は1人じゃない
「杏衣ちゃん、杏衣ちゃん!!」
杏衣ちゃんは完全に気を失っている。
呼吸も浅いし結構やばい。
車を走らせる。
「もしもし、雅紀今暇?」
「暇って仕事中だよ」
「急患見てくれるか」
「誰?あー、もしかして」
「そう、杏衣ちゃん、親からまたやられて呼吸浅いし全然目が覚めない」
「それは救急車だろ」
「無理なの分かってるだろ、今お前の病院に向かってるからすぐ見てくれ、絶対だ」
「分かった、準備している」
杏衣ちゃんごめんね、来るのが遅くて。
チラッと見るだけ明らかに多くてひどいアザ。
2時間ものの間ずっと耐えてたと思うと心が痛い。
ずっと助けてと言いたかったはずなのに我慢して耐えて……
我慢しなくていいのに、頼って欲しいのに、
甘えてほしいのに。