私は1人じゃない
「………あのなぁー……「着替え終わりました」」
タイミングよく杏衣ちゃんが着替え終わった。
「杏衣ちゃん、おはよう、よく寝れた?」
笑顔で話しかける雅紀。
オタクで変態っぽい気配が消えてる。
今は医者に見える。
「おはようございます、寝れました」
「そうかよかったね、退院はするけど傷がちょっとひどいから週1で手当に来ること、いい?」
「分かりました」
「それじゃ無理しないでね頑張らなくていいんだからね」
「……はい!」
杏衣ちゃんの顔が明るくなった。
雅紀は小児科医を目指したことがあって勉強したことがあるらしいから子供への接し方が上手いなあと思う。
なんだかんだ言われたけど、雅紀に頼んでよかったと思う。
「杏衣ちゃん、行こうか」
「うん」
「なあ、勇斗」
「どうした?」
杏衣ちゃんがナースの方と仲良く喋っている間にまたまたまた(?)話しかけられる。
「そーいえば、杏衣ちゃんに聞いたんだよ、お前のこと好きか、そうしたら好きじゃないって言ってたけど、結構あやふやだった」
「どういうことだよ」
「杏衣ちゃんがお前のこと好きかもしれないってことだよ」