私は1人じゃない



「何か飲む?」
「なんでもいいよ」


「じゃお茶な、水かお茶しかない」


お茶を出されてお茶を飲む。


私の実家もそこそこ大きい方だけど、それより大きくてどこかの皇室が使っているんじゃないかって思う。


蓮は授業も受けないし、家はこのように大きいし、一体何者なんだろう。


「そんなに俺の顔見ないでくれる?」
「ご、ごめん……」


「杏衣が気になってること答えると、俺はここに1人で暮らしている。家族はアメリカにいる。」
「アメリカ……?」



こんな大きな家に一人暮らし。


家族10人暮らしても狭くないぐらいの家なのに1人で寂しそう。


それに家族がアメリカにいるってなんでだろう。


なんで1人で蓮はいるんだろう。


「簡単に言えば、ずっとアメリカに住んでたけど嫌になって1人で日本に来て今に至るってわけ」
「………」


蓮にも漣なりの事情があるみたい。


でも過去を思い出して悲しそうな目をしている蓮にこれ以上聞けなかった。




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