私は1人じゃない
胸糞が悪すぎて、落ち着くために図書館に来た。
本を読まなそうとか言われるが俺は人間だから図書館に来れば落ち着くと思える。
俺はいつも図書館に来て適当に本を取って読んだり窓から見える木を見たりする。
窓の外を見ようしたら、
「杏衣………」
制服を着ていないけど顔を見てすぐ分かった。
腕や足が腫れている気がしてやっぱりな……
それよりも気になるのは杏衣が読んでる本。
『超恋愛論』って何で読んでいるんだ……
読んでる本の内容が俺にとっては気にせずにいられない。
杏衣、誰かに恋してんのか…?
「ふぇ!?」
杏衣が俺に気づいた。
幽霊でも見たような顔をしている。
俺が図書館にいるなんて信じられないだろうな。
胸糞悪かった胸のざわめきが杏衣に会ってから消えた。
やっと会えた杏衣。
このまま離したくない。
今まで忘れていたかのような傷がえぐり出してきて寂しくなってくる。
今までその寂しさを肉体関係で埋めていた。
でも今は杏衣以外では埋まらない。