私は1人じゃない




放課後。



結局1人で5組に来た。


班決めが明日の昼までらしいから今日決着をつけなければいけなくなった。


屋上にいて欲しい時に教室にいる2人。


教室に入るだけで、周りが私を見ているのが嫌でも分かる。


「蓮の彼女じゃね?」
「霧野さん可愛いから納得するなぁ〜」


いや、納得しないで、と思うけど無視して漣の教室に向かう。


窓側の列から3番目の1番後ろの席。


凌の席はその右隣。


いやでも無いし嬉しくもない微妙な席だけど1番後ろでも真ん中の列だから若干囲まれてる気がしてならない。


「何しに来た」
「やっぱり一緒には無理」


「えー、なんで霧野ちゃん、僕もいるのに」
「無理なのは無理なの、それに付き合ってないんだよ私たち!」


わざと大きな声を出してみる。


「付き合っていないとしても俺らが一緒に班にならない理由にはならないだろ」
「なんで私なの、私が嫌がることをしないでよ」


「今は嫌がってもいつかは俺を好きになる日が来る」


なにその自信、どこから来るの。


私一応あの日振ったよね。


途中、キスで塞がれたけど、蓮とは付き合えないって消える声じゃなくてはっきりと途中までは言ったよね。


蓮は頭が切れて鋭いんだから私が漣と付き合えないって、あーあ、俺は振られたって理解できるよね。


なのに周りのガヤを利用して付き合っていることにして私にそのように振る舞いをさせるなんて、強引で無茶すぎる。


蓮ほどのルックスならイケメンだと自覚して女が好きになると思ってもおかしくはないけど、私はルックスに騙されないし、人間は中身が大事だから!!


私を理解してくれてまるごと私を守ってくれる人。


蓮のような人の気持ちを考えない強引な人なんて論外。


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