私は1人じゃない
紅葉が色付いて少し肌寒くなってきた頃の修学旅行。
待ちに待ったというわけではないけど、朱莉が「私が京都を引いちゃったから〜」と言って責任を感じたのか同じ班になってくれたし和藤先生も一緒だからあんなに嫌だった修学旅行が少しずつ楽しもうという気持ちが出て来ている。
今は新幹線の中。
朝6:00に集合して、みんな眠そうな目を擦りながら朝から元気な校長の声によって出発式をして新幹線に乗っている。
天気は快晴。
新幹線の速いスピードで景色が楽しめていないけど、みんなトランプしたり喋ったりしている。
私の班はというと……
男子は蓮、凌、柊木。
柊木が2人と中学校から同じだったから同じ班でもいいよ、朱莉もいるし〜と快く受け入れてくれた。
女子は私と朱莉と森山 七瀬(もりやま ななせ)ちゃん。
七瀬ちゃんとは同じクラスで私が蓮と凌と同じ班だと知って「どうか一緒に行動してくれないかな!!」と手のひらを合わせてお願いされたから一緒の班になっている。
七瀬ちゃんは身長は150cmくらいで肌が白くてほっぺが丸くてぷにぷにしていて可愛くて守りたくなる女の子。
常に笑顔でハイテンションで七瀬ちゃんがいるだけで楽しくなる。
新幹線の座席で横3つの席に窓側から七瀬ちゃん、私、朱莉。
前の席が窓側から蓮、凌、柊木となっている。
前の席からは一切話し声が聞こえない。
寝ているのかな。
朱莉を見ると寝ているし、七瀬ちゃんはメイクを直している。
元がいいし七瀬ちゃんみたいな天使みたいな子はメイクしない方が純粋で無垢な子に見えていいと思うのに。
でもメイクは薄いしメイクをするともっと可愛くなっているからいいと思う。