私は1人じゃない



蓮は自分勝手で私のことなにも考えてないと思ってた。


なのに、私の身体の傷を見て全て察して蓮なりに私のこと考えてくれているのかな。


真っ直ぐじゃないから伝わりにくいけど。


そう考えると「話しかけないで」「ずっと離れて」なんて言うのは冷たすぎた。


「友達」としてずっと接していけばいいだけの話。


蓮がそのまま接してくれるとは思わないし、私が勇斗さんを好きなのは変わらない。



勇斗さんも私の傷を理解して寄り添ってくれたから。


私がママから逃げて学校に行って笑えているのは勇斗さんのおかげだから。



勇斗さんに気持ちがあるのに蓮と話すのはやっぱりきつい。


私も多少なり意識してしまう。


「もう行くね」
「待て」


「絶対に杏衣を襲わないって約束するからここで寝ろ、俺のせいだから1日だけここで寝ろ、俺も安心するから」
「お風呂に入って身体が温かくなったし……」




急におでこに触れた冷たい蓮の手。



「熱いな」
「元気だよ」


ううん、元気じゃない。


心は元気だけど体は熱い。


その差がもっとしんどい。


「今はお前は弱いんだよ、強いフリすんじゃねえ、言うこと聞け」



勇斗さんに申し訳ない……


でも体が熱いのか、似たもの同士の蓮がいるからか、すぐに目を閉じてしまった。
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